アメリカの航空会社が「スマートスーツケース」を禁止へ…いったいナゼ?

スマートフォンやスマートスピーカーなど、なんでも「スマート化」が進む昨今。
トラッキングができたり、スーツケースが自走したりしてなんとも未来的な「スマートスーツケース」がいろいろな企業から発表され、クラウドファンディングを中心に話題となっています。
そんな賑わいをよそに、アメリカの複数の航空会社が「スマートスーツケース」の使用を禁じることが明らかになりました。一体なぜなのでしょうか…!?
取り外せないリチウムイオンバッテリー
今まで旅行に必要なものを収納するだけだったスーツケースにも「スマート化」の波が訪れつつあります。
「iPhoneの充電やトラッキングができるスーツケース」や、「重量測定やロックがスマホと連携してできるスーツケース」など、カミアプでも何度か紹介してきました。
この他にも、ユーザーを認識してユーザーの後をついてくるスマートスーツケースもあるようで、もはやスーツケースを超えた何か別のようなものの気さえします。
様々なスマートスーツケースが登場し「確実に未来来てるな!」と思っていた矢先、アメリカの複数の航空会社がスマートスーツケースの使用を禁止することが明らかになりました。

Photo by Bernal Saborio G. (berkuspic) on Foter.com / CC BY-SA
スマートスーツケースがスマートであるためには、その電力源としてスマホのようにリチウムイオン電池が内蔵されているわけなのですが、アメリカン航空、デルタ航空、アラスカ航空はその危険性を懸念しているようです。
現在でもモバイルバッテリーなどをはじめとしたリチウムイオン電池の持ち込みや預け入れに関しては細かい制限が課せられていますが、貨物室内での発火のリスクを気にしているようですね。

Photo by JefferyTurner on Foter.com / CC BY
スマートスーツケースのバッテリーを外して手荷物として持ち込めば問題なさそうなのですが、現状ほとんどのスマートスーツケースが取り外し不可の設計になっているそう。
結果的にスマートスーツケースが使用禁止となってしまったようです。
CNNによると、先ほど述べた3社に加えユナイテッド航空とサウスウエスト航空の2社も近々スマートスーツケースに関する規定を明らかにするそうです。
これら5社でアメリカの航空交通量の8割以上になるので、事実上ほぼスマートスーツケースはアメリカで使えないことになるとのこと。

Photo by Thomas Rousing Photography on Foter.com / CC BY
せっかく高いお金を払っても、肝心なところで使えなくなってしまいそうなスマートスーツケース。
未来感あふれるツールですが、障害は意外なところにあったようですね…。