違法マイニング容疑で16人摘発の件、理由がガバガバ過ぎてネット上で物議に

37

2018.06.19

by HikaruSano

現在TVCMだったりニュースによく登場する「仮想通貨」、実際に通貨として利用するよりは投資先として利用されているイメージが強いですね。

そんな仮想通貨を閲覧者の同意なく不正に発掘させたとして、全国で16人が摘発されたそうなのですが、どうも理由が曖昧で議論になっているようです。

結局何が問題なの?

今年2月、自分で運営するWebサービスに不正なプログラムを実装したとして、フリーランスデザイナーであるモロさん(@moro_is)が「不正指令電磁的記録 取得・保管罪」で略式起訴され、同様に全国で他15人が摘発されたとニュースになりました。

ココだけ読むと「悪い奴もいたもんだ」で終わってしまいますが、そもそもモロさんは何を実装し、どうしてこのような結果になってしまったのでしょうか?

事の経緯詳細についてはモロさんご自身で運営されているブログにありますが、要点をまとめると下記のような時系列になります。

  1. 2017年9月に「Coinhive」を自身の運営サービスにテスト実装
  2. 同日に「Coinhive」を紹介する記事をリリース
  3. 有識者から「(Coinhiveについて)一言通知を入れるべきでは」と指摘
  4. モロさんが「事前同意を入れよう」と認識を改める
  5. 忙しかったのでその10日後に「Coinhive」を削除
  6. 2018年2月に警察から突然入電・家宅捜索を受け10時間拘束される
  7. PCやスマホ、ネットワーク機器を全て押収される
  8. 3月上旬に警察署で取り調べを受ける
  9. 取り調べ中に私服の警察官に畳み掛けられる
  10. PCはOSごと消去されて返却される
  11. 3月下旬に検察庁で取り調べ
  12. 罰金10万円の略式命令が言い渡される
  13. 罰金に異議を申し立てての刑事裁判移行

モロさんは「Coinhive」が原因で検挙された事がわかりますね。

「Coinhive」とはWebページ閲覧者のPCパワーを借りて仮想通貨を採掘するもので、「デザインに邪魔なWeb広告を削除して運営できるようになる!」と一部で話題になっていた新しいサービスの1つ。

モロさんはコレをテスト導入とはいえユーザに告知なく利用、要は「他人のマシンパワーで不正に仮想通貨を発掘し儲けていた」とされたワケですね。

ではまず、「Coinhive」は不正なソフトウェアなのでしょうか?答えは今の所「No」と言えるでしょう。

あくまで閲覧者のマシンパワーを借りているだけであり、そのパワーを「仮想通貨を発掘している」事に使っているだけで、挙動やプロセス自体はWebサイトを読み込んだり、動画広告が自動で再生されたり、通販サイトでカート情報を維持している事となんら変わりません。

つまり、「Coinhive」の動き自体にはなんら違法性はなく、モロさんの件については「ユーザに事前通知しなかった」事に尽きる事がわかりますね。

では「ユーザに事前通知しなかった」は違法なのでしょうか?これも今の所「No」と言えるでしょう。

もしWeb上で「ユーザに事前通知しなかった」事が違法であるなら、そこら中で表示されてる広告はすべて違法ですし、サイトアクセス時に強制的に動画を流す事も違法ですし、アクセス数をカウントする事なんかも全て違法になってしまいます。

この辺りについてはネットでも議論になっており、多くの有識者が今回の警察の検挙について「職権濫用」「根拠が曖昧」「情弱」と声をあげ、モロさんを支援するサイトも立ち上げっています。

(このサイトでは指定%分のCPUパワーでCoinhiveを稼働させ、そのマイニングで得られた利益をモロさんに寄付するサイトとなっています)

警察のHPには注意喚起として、「マイニングツールを設置していることを閲覧者に明示せずに同ツールを設置した場合、犯罪になる可能性があります。」と、ものすごく曖昧で犯罪の線引きが一体どこにあるのかも不明瞭な文言が書かれています

モロさんのブログにも書かれていますが、警察のサイバーセキュリティ課はびっくりするほどITに疎いようで、「マイニングツール=ウイルス」と考えている事も上記のページから見て取れ、今後の警察の動き(主に説明)に注目が集まっています。

まとめ

ちなみにこの記事、モロさんを支援するサイトで「Coinhive」を50%で回しながら書いているのですが、PCは普段通り稼働しており、はっきり言って「Coinhive」の影響は何も感じられません(モロさんのサイトでは25%以下に設定)。

他にも様々な有識者や弁護士の方が意見を述べていますが、この1件で無警告の16人を摘発した事は、明らかにずさんな捜査と未熟な知識の早まった行動と言わざるを得ないでしょう(海外でも驚きのニュースとして報じられています)。

コメント数ランキング

ランキングの続きを見る


関連記事